医学部で行われている病院実習についてご紹介しています。
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  1. 医学部の病院実習

医学部で行われている病院実習についてご紹介

病院実習とは?

病院実習とは?

医学部受験は合格がひとつのゴールではありますが、合格で全てが終わるわけではありません。むしろ医学部に入ってからが医師として生きていくためのスタートなのです。そのために僕たち医大生は日々膨大な量の勉強をこなして、医師に必要な知識を詰め込んでいます。時には頭がパンクしそうになることもあるほどです。そんな日は友人たちとちょっと息抜きに遊びに行ったりするのですけれどね。

ですが、知識は座学からのみ得るものではありません。座学では一般教養のほか、基礎医学や臨床医学も学びます。ただ、いかに座学で多くの知識を得たところで、それが現場で患者さんにぴったり当てはまるかというとそうではないのです。そのために実施されているのが病院実習です。

現場で患者さんと向き合うと、自分の知識がいかに薄っぺらいものだったかを痛感します。例えば「神経障害はありますか」と僕が尋ねても、患者さんにしてみれば何が神経障害なのかわからない、なんてことはままあるのです。そんなときに「足がつる」と聞いて神経障害と結びつけて考える、といったこともありました。

病院実習は座学では教わることのできない、現場で必要とされる機転、コミュニケーション力を身につけるために非常に重要な場なのです。

医学部で行われている実習

医学部で行われている実習

病院実習以外に医学部で行われている実習も多くあります。まず、医学部に入学して初期の段階で行うことになるのが解剖実習です。少し意外に思われるかもしれませんが、ほかの実習に先駆けて解剖実習があるのです。

解剖実習の経験は自分が医学生なのだ、とあらためて自覚するきっかけにもなったように思います。解剖させていただくご遺体はご自身の身体を僕たちのために提供してくださっているわけですから、持ち得る限りの敬意を持たなければなりませんし、医師として人の命を預かるのがどういうことか、深く受け止め直す機会にもなりました。

その後、基礎系実習で組織学・生理学・衛生学などで細胞の実験等を行い、CBT・OSCE試験に合格をしたら臨床実習に臨みます。病院内を回って診療や診察の仕方を学んだり、カルテの書き方を覚えるのもこの実習です。そして、これらを経てようやく先ほど書いた病院実習へと移っていくのです。

医学生の授業と学生生活

医学生の授業と学生生活

このように、実習が増えることは大変ではありますが学生にとっては貴重な時間です。大変になっただけ触発されることも増えますし、体験型の学習を早期に行うことで医師としての自覚も芽生えます。それに、2年生からさらに実践的な内容になっていく座学にも身が入ります。この経験が医学部で勉強する6年間のすべての下地になっていくのです。現場体験で得るものは非常に多いので無駄にしないよう取り組んでいただきたいですね。

本格的に医学生らしい勉強が始まるのは2年生になってからです。2年生になると基礎科目として組織学や発生学、生理学、生化学など、医学分野を学び始めます。本音を言うと、僕はこれらの科目を勉強していたときはそこまで重要とは感じずに流して聞いてしまっていたところがあります。後で実習をするようになってから、もっと真面目に聞いておけばと後悔した部分も。それだけに1年生で豊富な現場体験を得ることができるようになっている今のカリキュラムには魅力を感じますね。

3年生になると臨床科目が入ってくるのですが、ここからが医学生の本番ともいえそうです。臨床科目が始まることで勉強量がそれまでとは比べものにならないほど増え、どんどん時間的な余裕がなくなっていきました。そして4年生になるとCBTやOSCEという試験を受けることになります。これらの試験をパスしないと進級に関わることもあり、手を抜くことはできません。

5年生、6年生では病院での実習です。5年生の春から始まった病院実習は6年生の夏まで続き、そこで6年生は研修先とのマッチングを行うことになります。さらに、6年生で卒業を控えた2月には医師国家試験という最後の関門が待っています。ここで資格を取り、現場に出て行くまでが医学生の生活です。

医学生の生活は医学部受験で毎日を勉強に費やしていた日々よりもさらに過酷なものです。自分の目標に近づいているという充実感は確かにあるものの、生半可な覚悟ではこうした実習の積み重ね、医学知識や英語の習得などはこなしきれないとも思うのです。医学生となったなら、1日1日を無駄にしないように過ごすことを心がけてくださいね。

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