医学部の倍率と難易度の関係についてまとめました。
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  1. 医学部の倍率と難易度

医学部の倍率と難易度の関係を解説

なぜ医学部受験は人気なのか

なぜ医学部受験は人気なのか

医学部受験の人気の背景には、根強い「安定志向」があります。「難関大学に入れば大企業に就職できる」という考えが通用しなくなったいわゆる「就職氷河期」を迎えて以降、難関大学出身者も思うように就職できない現状が多くのメディアにより取沙汰され、学歴よりも安定性を求める世間の動きが過熱しました。

そこで、「安定して高収入を得たい」という希望を満たす学部が医学部くらいしかないという認識が広まり、成績が優秀な学生はみな一様に医学部を目指すようになっていきました。

また、テレビでは絶えず医療ドラマが放映されていたり、医学部受験を特集した雑誌が定期的に発売されるなど、メディアの影響も医学部人気を押し上げています。

加えて、立医学部の相次ぐ学費の値下げもまた、医学部人気を後押しする結果となりました。

実際に、2008年に順天堂大学医学部で学費を年間2080万円にしたことを切っ掛けに、多くの私立医学部で相次いで学費の値下げが行われ、特に日本医科大学、昭和医学部は大幅な学費の値下げにより偏差値が一気に高くなり、難易度の高い医学部となりました。

他にも東邦大学医学部、関西医科大学、東京医科大学、東海大学医学部なども、以前に比べ、ここ5年程で徐々に安くなってきています。

これにより、特別裕福な家庭でなくても、奨学金などを利用することで私立医学部の受験が可能になり、受験生の層が広まったことも、医学部受験の人気の要因と言えるでしょう。

医学部倍率ランキング

人気が過熱する医学部ですが、合格倍率は当然、これに比例して高くなります。国公立大学医学部前期入試における合格倍率、私立大学医学部一般入試における合格倍率についてそれぞれまとめましたので、ご参考になさってみてください。

国立大学前期

大学名 倍率 受験者 合格者
防衛医科大学 18.1 6120 338
奈良県立医科大学 12.9 283 22
岐阜大学 10.1 324 32
旭川医科大学 8.1 322 40
山口大学 7.9 479 61
広島大学 7.3 556 76
弘前大学 6.7 414 62
名古屋市立大学 6.2 456 74
滋賀医科大学 6.0 447 75
愛媛大学 5.9 235 40
熊本大学 5.3 508 96
香川大学 5.1 298 59
鳥取大学 5.0 333 66
島根大学 4.9 330 67
浜松医科大学 4.7 356 75
富山大学 4.6 275 60
琉球大学 4.6 321 70
福島県立医科大学 4.4 320 73
信州大学 4.3 739 102
札幌医科大学 4.3 324 76
三重大学 4.2 326 77
和歌山県立医科大学 4.1 320 78
秋田大学 4.1 223 55
福井大学 4.1 229 56
山形大学 3.9 332 85
佐賀大学 3.8 192 51
長崎大学 3.8 315 82
長崎大学 3.8 315 82
筑波大学 3.8 311 81
東京大学 3.8 377 98
新潟大学 3.8 327 87
宮崎大学 3.8 256 67
高知大学 3.7 217 58
千葉大学 3.7 381 103
東京医科歯科大学 3.4 320 93
神戸大学 3.4 312 92
岡山大学 3.3 336 101
鹿児島大学 3.3 218 66
大阪市立大学 3.3 318 95
北海道大学 3.1 318 102
九州大学 3.0 332 112
京都大学 2.9 319 111
京都府立医科大学 2.9 286 100
東北大学 2.7 331 121
横浜市立大学 2.7 234 88
徳島大学 2.7 212 78
群馬大学 2.6 202 77
金沢大学 2.5 219 86
大分大学 2.4 161 68
名古屋大学 2.3 217 93
大阪大学 1.9 189 100

私立大学一般

大学名 倍率 受験者 合格者
近畿大学 99.9 813 5
関西医科大学 88.3 618 7
東海大学 69.5 5071 73
日本医科大学 57.2 1030 18
帝京大学 42.5 7695 181
埼玉医科大学 41.7 2041 49
大阪医科大学 39.0 663 17
日本大学 38.0 152 4
埼玉医科大学 30.6 2082 68
金沢医科大学 29.4 3382 115
杏林大学 26.4 264 10
川崎医科大学 23.0 23 1
東邦大学 22.6 2530 112
杏林大学 22.4 2490 111
福岡大学 21.8 2678 123
東京医科大学 21.6 2832 131
日本医科大学 21.0 2096 100
順天堂大学 20.5 246 12
岩手医科大学 18.7 3496 187
聖マリアンナ医科大学 18.6 3157 170
日本大学 18.3 3594 196
川崎医科大学 18.0 1419 79
自治医科大学 16.5 2035 123
順天堂大学 14.8 2006 136
産業医科大学 14.5 1605 111
獨協医科大学 13.4 1378 103
関西医科大学 13.3 1963 148
北里大学 12.9 2253 175
久留米大学 12.6 63 5
川崎医科大学 11.4 91 8
国際医療福祉大学 11.2 2655 237
近畿大学 11.0 1655 151
兵庫医科大学 10.9 1802 166
大阪医科大学 10.9 1701 156
久留米大学 10.4 1811 174
愛知医科大学 9.4 2000 212
東京女子医科大学 8.3 1414 170
東北医科薬科大学 8.0 2042 256
慶應義塾大学 7.7 1384 179
藤田保健衛生大学 6.8 1985 293
東京慈恵会医科大学 6.7 1788 267
杏林大学 5.0 10 2

倍率と難易度はイコールではない

倍率と難易度はイコールではない

ランキング下位を見てみると、最難関大学の名前がちらほらと見られます。倍率だけ見ると「意外と難しくないのかな」と思いがちですが、これらはトップクラスの受験生だけが受けることができ、そうでない受験生にとっては簡単に手が出せない偏差値の大学ですから、合格の可能性が高い受験生しか集まらず、受験者数と合格者数の差が小さかったために低い倍率になったと言えます。

また、倍率には「実質倍率」という、実際に受験した人数で算出するものもあります。併願校で第一志望に合格したので受けない、体調不良で試験を受けない、といったこともあるので、実質倍率では案外低くなることもあります。こうした事情があるため、倍率の高さが一概に難易度とは言い切れません。東大などは記念受験をする学生もいますからなおさらです。

医学部偏差値ランキング

偏差値は、一見「倍率」よりも分かりやすくその大学の難易度を示す指標であるように見えると思います。まずは、偏差値の高い医学部を上位50大学ご紹介いたしますので、参考になさってみてください。

大学名 運営 偏差値 国家試験合格率
東京大学 国公立 76.8 90.0%
京都大学 国公立 75.8 93.3%
大阪大学 国公立 73.3 89.8%
慶應義塾大学 私立 73.2 96.6%
東京医科歯科大学 国公立 72.3 95.3%
山梨大学 国公立 72.0 91.9%
名古屋大学 国公立 71.2 91.1%
千葉大学 国公立 71.0 93.5%
九州大学 国公立 70.8 89.9%
神戸大学 国公立 70.7 91.4%
東北大学 国公立 70.5 94.2%
東京慈恵会医科大学 私立 70.3 95.9%
奈良県立医科大学 国公立 70.0 92.9%
京都府立医科大学 国公立 69.8 85.0%
大阪市立大学 国公立 69.8 95.3%
筑波大学 国公立 69.5 94.3%
北海道大学 国公立 69.5 86.3%
広島大学 国公立 69.5 92.0%
順天堂大学 私立 69.3 96.9%
岡山大学 国公立 69.2 94.3%
横浜市立大学 国公立 69.2 97.7%
防衛医科大学 国公立 68.8 88.9%
三重大学 国公立 68.8 95.6%
岐阜大学 国公立 68.5 91.8%
長崎大学 国公立 68.5 87.8%
自治医科大学 私立 68.5 99.2%
熊本大学 国公立 68.5 89.6%
名古屋市立大学 国公立 68.5 93.8%
金沢大学 国公立 68.3 96.0%
大阪医科大学 私立 68.2 93.3%
新潟大学 国公立 67.7 89.5%
和歌山県立医科大学 国公立 67.7 94.8%
日本医科大学 私立 67.5 87.4%
山口大学 国公立 67.3 91.0%
滋賀医科大学 国公立 67.3 92.9%
愛媛大学 国公立 67.2 92.9%
富山大学 国公立 67.0 89.4%
浜松医科大学 国公立 67.0 96.0%
信州大学 国公立 67.0 94.2%
近畿大学 私立 66.8 89.6%
関西医科大学 私立 66.8 91.4%
昭和大学 私立 66.8 93.3%
徳島大学 国公立 66.7 87.6%
弘前大学 国公立 66.5 90.1%
札幌医科大学 国公立 66.5 93.3%
東京医科大学 私立 66.5 96.4%
鹿児島大学 国公立 66.3 90.0%
日本大学 私立 66.2 92.7%
東邦大学 私立 66.2 96.3%

偏差値はあくまで参考

偏差値はあくまで参考

倍率はあまり当てにならない、というお話は既にさせていただきましたが、では偏差値を絶対的に信用すればいいのかというとそうとも言い切れません。もちろん、倍率も偏差値も大事な指標ですが、模試で志望校としていくつかの大学医学部を書いてみると、インターネット等に公開されている偏差値表とは数値にズレがあったり、難易度が違っていたりすることがあります。

これは倍率と難易度がイコールにならないように、偏差値と難易度もまたイコールとは言えないためです。と言うのも、たとえば最難関東京大学医学部の偏差値は76.8ですが、合格者98名のうち何人がこの偏差値を満たしているのかは公開されていません。

偏差値も、全県模試のような、他学部受験生と一緒に受けるセンター模擬試験の学力偏差値と、医学部予備校模試の学力偏差値とでは、大きく変わってきますよね。

偏差値は「必ずこの数値に届いていなければ合格できない」という絶対的な基準では決してありません。今の自分の偏差値と目標医学部の偏差値がかけ離れているからといって諦めてしまうのは非常にもったいない、ということです。

ただひとつ言えるのは、偏差値は高くて困ることはないということ。偏差値は努力とやり方次第でぐんと上げることができますから、まずは勉強計画を練るところから始めてみましょう。

大学によって入試問題には癖がある

大学によって入試問題には癖がある

倍率・偏差値の他に、国公立大学と私立大学では傾向が大きく異なることも、留意しておくべきポイントのひとつです。国公立大学はセンター試験の延長上のオーソドックスな入試が多い一方で、私立大学は大学ごとに個性のある問題を出題してくることがあります。ほかにも面接や小論文など、私立大学だと特に癖のある問題を課してくることがあります。

この違いがあるために国公立大学と私立大学は単純に偏差値では比べられない難易度の違いがあります。5科目全てがオールマイティに得意なら国公立大学が向いているでしょうし、数学と英語が図抜けているけれど国語はどうしても無理だ、という方なら試験科目に国語がない私立大学を選ぶと実力を発揮しやすいはずです。

偏差値よりも最終的にその大学の入試問題が解けるか解けないかによって合否は決まりますから、入試本番までに志望する大学の入試問題を解けるようになるための対策を行いましょう。

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