医学部を目指す浪人生ならではの勉強法と注意点についてまとめました。
医学部予備校徹底比較!医学部合格を本気で目指す人必見
  1. 医学部の浪人生勉強法

医学部を目指す浪人生ならではの勉強法と注意点

医学部浪人をするのは悪いことではない

医学部浪人をするのは悪いことではない

「浪人」の2文字を出されていいイメージを持つ方はいないでしょう。大学受験といえばまずはなんとしても現役合格を目指すのが当然ですから、浪人なんて考えたくもない、という方も多いはずです。しかし、医学部合格を目指して1年、あるいはもっと長い期間努力し続けてきたのに、結果は滑り止めにも引っかからず惨敗。それが僕でした。

でもそこであまり落ち込み過ぎないでください、と僕は言いたいのです。実際に現役合格を逃した僕だから自信を持って言えるのですが、浪人したからといって医学部合格、将来の医師という夢が完全に潰れるわけではありません。医学部受験は一般的な大学入試に比べて難易度が高いため、浪人生も多くなる傾向にあります。何も仲間がたくさんいるから、と励ましたいわけではないのですが、医学部に入学する半数以上が浪人生であることを鑑みればこれから努力していく余地は十分にあるのです。

医学部浪人と現役の違いについて考える

医学部浪人と現役の違いについて考える

ただし、浪人することによるデメリットは確実に存在します。その最たるものが保護者の経済負担です。予備校に通うとなれば、年間で数百万単位かかるのが一般的。その上、晴れて医学部合格を果たしたとしてもその後にかかってくる学費は国公立大学でも400~500万円、私立大学だと2,000~5,000万円と膨大です。

また、推薦入試は基本的に大学の推薦を受験する資格を得た現役生(一部の大学では浪人生も可)でなければ受けることができないため、浪人生は学力によって合格を勝ち取らなければなりません。

合格できない浪人生の特徴とは?

浪人生は、一年間勉強のためだけに24時間すべての時間を使うことができる恵まれた環境にあると言えます。この環境を最大限に生かすことができれば、難関大医学部でも一年間で合格を達成することは決して不可能ではありません。

にも関わらず、2浪、3浪と浪人を重ねてしまうのは何故でしょうか。合格できない多浪生には、共通した特徴があると思います。ここでは、合格できない浪人生の特徴についてご紹介いたします。

充分な勉強時間を確保できていない

充分な勉強時間を確保できていない

集中して勉強をしていた時間のみを計ってみると、自分の体感勉強時間よりも圧倒的に少ない、ということは往々にして起こります。なかなか合格できない浪人生は、実は単純に勉強時間が足りていません。

たとえば、予備校に通っている時間や自主学習の時間などで一日12時間の勉強時間を確保できていたとしましょう。時間だけに注目すると、現役生よりもかなり勉強していることになりますので、「勉強時間は充分に足りている」という錯覚に陥りがちです。

しかし、仮に睡眠時間を7時間、食事や入浴の時間を2時間と設定しても、残りは15時間あることになります。この残りの15時間をどのように過ごしているか改めて考えてみたときに、スマホをいじる時間やテレビを見る時間など、無駄に過ごしている時間は意外と多いもの。

世の中で活躍している人は、どの業界でも1週間で100時間勉強した経験を持っていると言われています。浪人中に1週間で100時間の勉強を達成できなければ自分が活躍できるチャンスは永遠にやってこない、というくらいの気持ちで、今一度勉強にかけられる時間の算出を行って欲しいと思います。

間違ったやり方に固執してしまう

間違ったやり方に固執してしまう

勉強時間を充分に確保することで、ほとんどの方が成績を伸ばすことができるはずです。にも関わらず、「どれだけ勉強しても成績が伸びなかった」という人が少なくないのも事実。むしろ、実際に何年も合格できない浪人生はみなそう思っていることでしょう。僕もそのうちのひとりでした。

何年浪人してもうまくいかない人というのは、間違ったやり方に固執して一年を過ごしてしまう傾向にあります。前の年に合格できなかったならば、必ず何か問題点があったはずなんですよね。

たとえば「この参考書で合格した」というような体験記は、ある人が活用して合格できたとしても、それが必ずしも自分に当てはまるとは限りません。特にそれが応用問題集だった場合、真似しても上滑りして時間の無駄になるだけです。

そもそも、「どれだけ勉強しても成績が伸びない」というのは、ほとんどの場合、基礎の理解や演習を疎かにして自分に合っていない難易度の問題に取り組んでいる状態で起こります。医学部受験に向けた勉強においてもっとも徹底すべきことは、難問を解くことではなく、基礎固めです。基礎問題が確実に解けるようになれば偏差値は60を超えますし、多くの医学部の合格ラインが見えてきます。

浪人生は現役生に比べ受験情報に詳しく頭でっかちになりがちで、インターネットや参考著書などを駆使すれば医学部受験情報は山のように手に入りますが、中には正しくない情報も数多く存在します。

勉強量に比例して成績を上げていくことができる人というのは、情報をきちんと見極め、余計な情報に惑わされず、本当に信頼できる情報をしっかりと選び取り、自分のやり方を常に改善していける人です。

友人との交流が足の引っ張り合いになっている

友人との交流が足の引っ張り合いになっている

浪人生が意外と陥りやすいのが、友人同士の交流による集中力の欠如です。と言うのも、日中学校に行っているわけではない浪人生は、どうしても毎日同じメンバーで予備校に入り浸りという状態になりがちです。一緒に昼食を摂ったり休憩を取ったり、予備校から自宅までの帰り道が同じなら、お喋りや買い食いをしながら一緒に帰るという人も居るでしょうし、友人と交流することで取られてしまう時間は想像している以上に多いものです。

「ライバルになる」「刺激になる」という理由で、友人との交流は必要だと考える浪人生も居ますが、実は成績上位の浪人生は必ずと言っていいほど独りで勉強しています。

「勉強に集中する」ということは、根性論的に頑張るということでは決してなく、冷静に「やらないことを決めること」だと思います。テレビを観ない、漫画を読まない、遊びに行かない、スマホを触らない、お喋りをしないなど、まずは受験勉強に必要ないことを切り捨てていくことから始めましょう。

一年間孤独になるのはつらいことかもしれませんが、それで離れていくような友人は始めから友人ではありません。医学部に合格したら、思いきり友人を作り、たくさん交流すればいいのです。

医学部の多浪生の割合は?

医学部の多浪生の割合は?

「多浪生は受験に不利」という噂は、医学部ではちらほら耳にします。実際にそういった差別をしている私立大学も中にはあるのかも知れません。僕自身多浪生でしたから、どことなく肩身の狭さを感じることはありました。ですが、予備校では同じような境遇にあっても懸命に努力している仲間を見つけることができましたし、講師の方々も僕を見捨てることなく指導してくれました。

また、実際に2浪、3浪合わせて半分を超えるという私立大医学部も多く存在します。詳しいデータが公開されている私立大学においては、浪人の割合について以下にまとめました。

慶應義塾大学
2浪・3浪合わせて6.1%
東京慈恵会医科大学
2浪 9.1%・3浪 2.7%
近畿大学
2浪 18.6%・3浪 29.7%
東京医科大学
2浪 23.3%・3浪 11.7%
国際医療福祉大学
2浪・3浪合わせて39.3%
日本大学
2浪 20.8%・3浪 28.3%
日本医科大学
2浪 17.8%・3浪 15.3%
久留米大学
2浪 14.7%・3浪 36.2%
東海大学
2浪 25.6%・3浪 30.6%
愛知医科大学
2浪 15.7%・3浪 12.2%
福岡大学
2浪 23.6%・3浪 28.5%
岩手医科大学
2浪 19.0%・3浪 29.0%
北里大学
2浪 24.9%・3浪 24.3%
藤田保健衛生大学
2浪・3浪合わせて75.8%
埼玉医科大学
2浪 24.6%・3浪 18.5%
杏林大学
2浪 35.0%・3浪 18.8%
東京女子医科大学
2浪 15.8%・3浪 5.3%
産業医科大学
2浪 24.8%・3浪 13.3%
獨協医科大学
2浪・3浪合わせて76.7%
川崎医科大学
2浪 20.2%・3浪 43.4%

2浪以上が半分以上を占めるという私立大学医学部は決して少なくありませんが、慶応や慈恵医などの難関私立に関しては、2浪すらほとんどいないのが現状です。それ以外の私立を受験する方は、3浪でも問題ないでしょう。

医学部浪人は何浪まで許される?

国公立を志望する人に関しては、一般企業への就職が厳しくなるという理由で、基本的には2浪が限度とされています。2浪目は滑り止めに早慶や薬学部や理系学部なども受験し、万が一に備えておきましょう。

私立を志望する人は、難関大学を除くほとんどの大学において、3浪以上でも問題ないと言われてはいます。ただし、5浪、6浪と年月を重ねてもまだ挑戦を続けるべきかと言われると、正直僕は厳しいのではないかと見解します。

「何浪まで挑戦してダメだったら諦める」とどこかで引き際を決めておかないと、人生の取り返しがつかなくなってしまうことだってあり得ます。

いずれにしても、3浪以上で医学部をあきらめる場合、一般企業への就職は厳しいため、看護学科などの資格がとれる学部へシフトすることをおすすめいたします。

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